抗炎症および抗酸化製剤として販売されているエミューオイルですが、炎症性腸疾患における経口投与の有効性が実証されたという論文があります。
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概要
エミューオイルは、エミュー (オーストラリア原産の飛べない鳥) の皮下脂肪と後腹膜脂肪から抽出された豊富な脂肪酸源です。オーストラリアの先住民族は、最初にエミューオイルを癒しと痛みの緩和特性のために使用しました。
Potential therapeutic applications for emu oil,Suzanne Mashtoub,First published: 12 April 2017, https://doi.org/10.1002/lite.201700009
現在、エミューオイルは、局所および経口投与用に市販されており、修復特性を備えた抗炎症および抗酸化製剤として販売されています。
限られた数の臨床試験ではありますが、エミューオイルの局所塗布の有効性が示されています。
最近では、十分に管理された前臨床研究により、炎症性腸疾患におけるエミューオイルの経口投与の有効性が実証されました。 その結果、エミューオイルは、胃腸系に影響を与える障害に対する従来の治療アプローチの補助となる可能性があります。
抗炎症作用とは
抗炎症作用とは 腫れ・発熱・痛みなどの炎症が起きたときにその炎症を鎮める作用のこと。
抗酸化作用とは
活性酸素から体を守る(酸化を抑える)こと。
活性酸素は、体内の代謝過程において様々な成分と反応し、過剰になると脳や血管、皮膚の酸化、細胞へのダメージを与えて、がんの発生原因や老化の加速、抵抗力の減退、生活習慣病などの様々な機能障害を引き起こします。
炎症性腸疾患とは
潰瘍性大腸炎・クローン病など。
潰瘍性大腸炎:通常は細菌などの外敵から体を守るための「免疫」の機能に異常が起こり、大腸粘膜に炎症が生じる炎症性腸疾患の一つ。
クローン病:潰瘍性大腸炎と同様にクローン病は遺伝的素因・環境因子(食物や化学物質)、腸内細菌等により何らかの免疫異常が生じて発症する炎症性腸疾患の一つであり原因はまだ明らかではない。
どちらの病気も、現在のところ完全に治癒させる治療方法はなく、異常となった免疫を抑えて症状を落ち着かせる治療をしながら病気と長く付き合っていく必要がある。